オンライン講座はじまりました。



9月です。新しいことを始めるにはちょうど良い区切りの季節。そして先週土曜日は、エルスの「アンティークとインテリア講座」が、イマドキなzoomで再スタートしました!






今回のテーマは「アンティークキャビネット」。テーマに沿った素敵なキャビネットのある御宅を3例取上げ、それぞれの御宅ご自慢のキャビネットのプロフィール(年代、スタイル、色、素材、購入店など)を解説。英国ジョージアンスタイルのシノワズリキャビネットから、フレンチカントリーな白いアルモワール、焦げ茶色のミラーバックサイドボードに、英国ならではの高級リプロダクション家具、オルソープ。どれもオーナーさんのこだわりを感じさせる「箱物家具」たちです。御宅選びにはインテリア雑誌「BonChic」(No16)を使わせていただきました。




エルスのインテリア講座ではどんなに固いテーマの時でも必ずパリ最新情報を挟むのが常ですが、今回もその例外ではありません。インテリアリソースの宝庫であるパリからは、見栄えのするビッグサイズのキャビネットを販売する大手インテリアショップ、Flamant-フラマン。ジャコブ通りの照明や雑貨のブティック、Alix D Reynis-アリックス・D・レイニスではアンティークキャビネットをイメージした壁一面の飾り棚。1区の4つ星ブティックホテル maison Armance-メゾン・アルマンスでは狭小スペースの壁面と梁を上手に使ってエレガントな棚を設置した例、以上3例を見ていただきます。どれも上級のさらに上をいく、超上級の事例ばかりです。家具という視点からだけではなく、壁面、空間全体をどう扱うかも、収納ディスプレイのインテリアテクニック。個人宅ではなく、誰もが入店可能なショップやホテルですので、いつかまたパリを訪れた際には皆さんにも是非行って見ていただきたいと思い、選んでいます。







Flamantは、言わずと知れたベルギーのインテリアショップですが、中でも「フラマンスタイル(ヨーロッパ富裕層の天井高のある邸宅のイメージ)」を体現する、背の高いオークキャビネットが人気です。実際にその前に立つとそのサイズ感に魅了され、キャビネットにあったソファやダイニングセットまでもビッグサイズが欲しくなります。でも日本の住空間でこのフラマンスタイルを実現するのは至難の業。その点天井高がそれほどないサンジェルマン店では、家具サイズはベルギーよりもサイズもやや小ぶりなものが多く、クラシックな白いアルモワールなど、日本人好みのパリシックなデザイン家具がより多く見受けられます。




同じくサンジェルマン界隈、rue Jacob にあるAlix D Reynisは、主にポルセレンと華奢なアンティークスタイルジュエリーを扱うショップです。陰影の色濃い空間に、白い商品を並べることで、陶器の白さや質感の魅力を最大限に引き出しているテクニックに脱帽。今年の1月の展示会の際、実際に店内に入り、その見事な空間演出を目の当たりにしましたが、ショップオーナーとして大いに刺激を受けました。猫脚の肘掛け椅子や古色蒼然としたオブジェもさりげなく置かれていて、古さと新しさの交錯する不思議な魅力のある空間でした。(このブティックについては次回のセミナー、アントワネット・ポワソンのテーマの時に再度ご紹介します。)




コンコルド広場脇の小路にあるブティックホテル、maison Armance。セーヌ通りの版画専門店で自分のために購入したアーチストの作品が、こちらのホテルの客室でも使われていると聞き及び、ネット検索で見つけました。実はこの8月、パリに行きこちらのホテルに滞在する予定だったのですが、コロナで旅自体があえなくキャンセルとなり、実際に滞在して自身で見ること叶わず、とても残念です。ホテルサイトで見る限り、どの客室もやや狭目ですが、個々に工夫された壁面収納が秀逸です。こちらの画像は屋根裏の最上階と思われますが、狭い空間をフルに活用し、壁、天井、棚の見事な余白バランスにもご注目ください。






セミナー後半では、中之島エルスショップのオークキャビネットをご覧いただきました。

このオークキャビネットは、まだヨーロッパにいた頃前述のベルギーアントワープのフラマンショップで見つけ、いつか自宅に置きたいと思っていたモデル。今では日本でも複数のメーカーが輸入販売しており、生産地はどうも中国のようです。ショップの分は私も日本で調達しました。手前の猫脚は背もたれの高いレジョンス様式のアンティークソファ。リプロダクションと本物のアンティークをミックスすることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に全てを同じ年代のもので揃えることは不可能ですので、ご自身の感性を信じて、お好きなものを様式・年代問わずコーディネートして見ましょう!





キャビネットの中は、季節ごとに商品ディスプレイが変わります。現在はこのようにアンティークスタイル(レプリカ)のボヘミアングラス、オリジナルのアートフレーム、LEDソーラーランタンなどを並べて飾っています。灯がないと棚の中は暗くて商品が映えないので、電源のいらないLEDランプやキャンドルはとても重宝しています。


*これらの商品は全てエルスオンラインショップで購入することができます。






最後に、少し昔になりますが、エルスがお客様のためにパリから取り寄せた「セクレテール」という箱物家具をご紹介しました。18世紀に考案された「セクレテール」は、収納引出と書き物机が合体した造りの凝った家具です。加えて精巧な鍵や秘密の引出しがついたヴァリエーションが幾つも登場し、ヴェルサイユ宮殿やパリ装飾美術館で当時の逸品を見ることができます。現代においてもアンティークスタイル家具として人気で、有能な職人のいる大手メーカーでリプロダクションされています。Roche Bobois -ロシュ・ボボワ-によるこちらのセクレテール(復刻版)は、現代のインテリアに馴染むよう、デザインはごくシンプルにまとめ、上質な木材に明るく艶のある飴色の塗装をかけ、この家具が登場した時代を彷彿させる華やかな家具です。


実はこのセクレテールの持ち主であるお客様ご本人が、横浜のご自宅からセミナーにご参加くださいました。「上段棚はつまみを持って下から上にあげる引き込み式」、「下段の引き出しは中にはファイルハンガーが設置されており、各所に現代に即した工夫が見られる」など、オーナー自らご解説いただき、さらなる活気が場にプラスされました。他の参加者からセクレテール上の壁面に飾られたアートにもご質問が出て、インテリアの話題がアートに膨らみ、zoomであっても対面と変わらず質疑応答の時間が充実したのは嬉しい発見でした。








セミナーと質疑応答に要した時間は2時間ちょうど。全て守備よく運んだ様に思えましたが、振り返るとうっかりお話するのを忘れたネタも。古いインテリア雑誌から家具のイラストを切り取りオリジナルアートフレームを作って用意していたのですが、そのイラストがまさに最後にご紹介したセクレテール!お客様のセクレテールと見比べれば、アンティークと、アンティークスタイルの現代家具の雰囲気の差をもっと具体的にお伝えできたのに。本番ではすっかりフレームのことを忘れて一切触れずに終わってしまったのが残念無念です。


今回お目見えのチャンスを逃したアートフレームは、またどこかの機会でお話させていただきますね。



今回のセミナーで使った参考図書は下記の3冊。どれもアマゾンで手軽にネット購入可能です。左から『Tous les Styles DU LOUIS XIII A LʼART DECO』 Elina/ Sofedis 、『Bon Chic』別冊 PLUS 1 LIVING [ボンシック]vol.16 主婦の友社、『イギリスの家具』 ジョン・ブライ著 小泉和子訳 ⻄村書店  です。


次回のオンラインインテリア講座「フランス18世紀のインテリア タペストリーからドミノまで」は、2020年12月5日 (土) 15:00 - 17:00開催予定です。詳細は、カルチャーサロン「プティ・セナクル」で。


気軽にどこからでも参加できるzoom講座、皆様のご参加をお待ちしております!

​〒530-0005 大阪市北区中之島3-1-8 

リバーサイドビルディング1F tel. 06-6225-7262

© 2020 by els design