暮らすように旅するパリー18区モンマルトル編




18区モンマルトル。パリの最北端、色々な顔を持つ地区ですが、丘の裏側に、パリジャンも一目置く高級住宅地があることは、あまり知られていないようです。モンマルトルの素顔を知りたいなら、表側からよりも、メトロ12番線、LAMARCKーCAULAINCOURT駅からスタートするのがお勧めです。



出口が階段下にあるこのメトロ駅。アメリよろしく軽快に階段登ってRue Caulaincourt-クーランクール通りに出ると、下町情緒のあるカフェやパン屋、小売店が軒を連ねます。クーランクール通りを歩くだけでも十分に楽しいのですが、そのまま駅とは反対側にあるAvenue Junot -アヴェニュー・ジュノ側に渡ってみましょう。緩やかな弧を描く並木道に、乳母車を推す若いカップル、身なりの良い中年紳士、いかにも建築・デザイン系のプロらしき人が歩く大通りです。丘の表側に比べてローカル色が強く、観光客らしい集団がいないことも魅力的。ちゃっかりそこで暮らしている人のような風を身に纏い、ゆったり歩いてみる、もちろん観光ガイドや地図は持たないで。


ジュノ通りの真ん中あたりにあるお洒落なカフェ・ビストロ、マルセル。テイクアウトもOKな地元住民に愛されるカジュアルフード店ですが、お料理はなかなかのものです。このカフェの奥に、煉瓦作りの一戸建てが並ぶ瀟洒な住宅街ヴィラ・レアンドルがあります。表のジュノ通りにはファサードを見るだけでも楽しい建築物が立ち並び、アール・デコ・モダニズム建築の宝庫。ダダイズムの創始者と言われるトリスタアン・ツアラの家は装飾性を一切排除したアドルフ・ロースの作品です。なんだかこの一角は世間でよく知られているモンマルトルではないみたい?



有名な「壁抜け男」の銅像があるマルセル・エメ広場を左に折れれば、フランスを代表する歌姫ダリダの胸像があるダリダ広場へ。ここから見る遠景のサクレ・クール寺院もなかなかの風情で、個人的に気に入っっている眺め。右に折れれば、ルノワールの絵画で有名な、テラスのあるレストラン、ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレットのあるルピック通りにつながります。


ルノワールの絵で有名なムーラン・ドゥ・ラ・ギャレットは、意外にも店内インテリアは落ち着いていて、アールデコスタイルの照明が印象的。ブフ・ブルギニヨン(牛肉の赤ワイン煮込み)などの伝統料理もさりげなくお洒落で美味。観光ずれしていない雰囲気がまた素敵でした。



ルピック通りは、ジュノ通りとはまた一味違う込み入った商業施設の並ぶ小さな通りで、映画「アメリ」の舞台となったカフェ「Cafe des Deux Moulins」もうねうねと長いこの通りのずっと先にあり、通りに沿っていけば迷いません。思わず入ってみたくなるブラッスリーやカフェが密集しており、色々目移りしてしまうのでここに入り込んだら要注意です。どのお店も人気で夜は人で溢れます。昼間に目星をつけておいて、ディナーは予約していくのが良いでしょう。



夜は、ブランシュやピガール駅の近くのお宿を取れば、有名なムーラン・ルージュのナイトショーを観た後で歩いて帰ることができます。ムーラン・ルージュの演目は、もちろん全裸に近い女性のパフォーマンスがメインですが、主に東欧から来たダンサーたちの肢体はあくまでも美しく、その間に挟まれるコミカルな即興劇や手品なども見る人を飽きさせず、女性が見ても楽しめる上質な娯楽になっています。

18区は「ちょっと危ない雰囲気?」「1人で歩くのは怖いかも」、という方におすすめの、歴史的建造物、高級住宅の密集する、地元情緒たっぷりのモンマルトル裏通りお散歩コース、所要時間は歩くだけなら1-2時間。カフェに寄るなら3時間。近隣の博物館やお屋敷街をゆっくり見て回るなら半日から一日。このエリアならではのナイトショーも、是非一度お試しになることをお勧めします。


(この生地は2020年11月14日のエルスzoomミーティングの内容を短くまとめたものです。)



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