21 rue de Seine - 10年目の改修工事




2007年の暮れ、パリ6区セーヌ通り21番地に猫の額ほどの小さな小さなアパルトマンを購入しました。改修工事に半年かけて竣工したのが2008年の夏 。自身で使わないときは、パリを訪れる観光客の方に短期賃貸アパートとして貸し出して気がついたら10年が経ちました。さすがに壁も白さを失い、水回りのカウンターは変色し、家具のそこかしこが緩んでガタついています。綺麗なときは皆さんも気をつけて使ってくださいますが、経年の汚れや傷が目立ち始めると、テナントさんの使い方もややラフになり、毎回ご退出後には傷の数が増しました。




そんなわけで、昨年夏から大工さん探しをスタート。候補の方々見積もりのやりとりでさらに半年が過ぎ、ほぼ一年後、ようやく一人大工さんが決まり、6月最後の賃貸人が退去するタイミングでパリに飛びました。期限は10日。4月に渡欧した際事前打ち合わせはしており、到着した日の夜19時に工事内容を再度確。翌朝からは養生が始まりました。「本当に10日間で全部できますか?」、私に問いかけに屈託のない大工さんの明るい笑顔。その全くの緊張感のなさに、さらに不安がつのります・・。




今回の工事内容。まず壁、天井の全面塗装。次に傷み始めたバスルーム洗面台下のキャビネットを新調。オリジナルの木製台は、洗面台に合わせた丸いシンプルなデザインで見栄えは良かったものの、絶えず水はねを受けることで表面防水用アクリルにひび割れが出はじめてました。その下の木の部分にもひびから入り込んだ水のせいでところどころ濃いシミ。また収納が付いていなかったため、洗面道具を置く場所がありませんでした。今回はボックス型の台にして観音開きの収納キャビネットを設置することに。





キャビネットタイプの洗面台はこんな感じ。ありきたりですが機能的です。

右袖は今ある細いゴミ箱がそのまま置けるようスペース確保するよう指示。ところが、予め図面でサイズを指定したのにも関わらず、なんと1.5cm幅が足らず、ゴミ箱がその隅に入らないことが完成してから発覚。日本の現場では起き得ないことが現実になりました。エジプト出身の大工さんと日本人の施主。フランス語での意思疎通はもちろん容易ではありません。口だけでなく紙に数字を書いて図面を渡してもすれ違い。施主から親方へ、親方から職人へと伝達もあまり確実ではないようです。もちろん一からやり直し。




32平米の超狭小アパルトマンですので、使えるスペースがあるなら活用しない手はありません。トイレ内に掃除用具入れ収納を作ることはここ8年くらいの課題でした。何度となくいろいろな大工さんにお願いしていたのですが、これがなかなか実現しませんでしたが、何故かこちらは洗面台下収納とは違いすんなりと仕上がり、外置きになっていた掃除機を収めることができるようになりました。この結果には大満足です。





ベッドサイドの棚。これまで右サイドにしかなく左側が空いていたため、リビングのネストテーブルの一番小さいのを置いていたのですが、これがどうもバランス悪く、そこで左にも同様の棚を依頼します。簡単なように見えてこちらも難航しました。最初に設置された棚は材質も色も、そして高さまで右側と違っていたので、ダメ出し。一からやり直しです。





それ以外にも、養生中に不用意に置いた額のガラスが割れたり、塗装後の掃除に使われた家庭用掃除機にペンキの塊が詰まってその後まともに使えなくなったり。予想外(いや想定内?)様々なトラブル勃発。加えて、最終日にドライクリーニングに出したカーテン2組を引き取りに行くと、鳩目リングが10個中4個も無くなっていたり、飾りにあったフェイクレザーラインが熱で溶けていたりと、目も当てられない惨事。


帰国前日の夜は怒りで偏頭痛に悩まされならも、予備カーテンをとりあえず元の場所に掛け直します。翌朝は4時起きで最後のお掃除。結局塗装以外の工事は滞在中には終わらず、パリのお友達にその後の管理を託して、疲労困憊した心と身体で空港へ。


覚悟はしていたものの、やっぱりパリのリフォーム工事はストレス満載! 滞在中の10日間で終わらせるなんて夢のまた夢でした・・・。後日談はまた別の機会に。

​〒530-0005 大阪市北区中之島3-1-8 

リバーサイドビルディング1F tel. 06-6225-7262

© 2020 by els design