Stories around Els

 

大人のインテリアに不可欠な上質な家具、個性的な装飾品の話、買付のこぼれ話や海外で見つけた素敵なブティック、

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21 rue de Seine - 10年目の改修工事

最終更新: 2018年8月4日




2007年の暮れパリ6区セーヌ通り21番地に猫の額ほどの小さな小さなアパルトマンを購入しました。改修工事に半年かけて竣工したのが2008年の夏 。自身で使わないときは、パリを訪れる観光客の方に短期賃貸アパートとして貸し出して10年が経ちました。10年経つと流石に壁も白さを失い、水回りや家具のそこかしこがガタついてきます。綺麗なときは皆さんも気をつけて使ってくださいますが、壁や床に汚れや傷が目立ち始めると、テナントさんの使い方がややラフになり毎回ご退出後には傷みの数が増しました。




そんなわけで、昨年夏から改修工事を念頭に大工さん探しを開始。見積もりのやりとりでまた半年。ようやく頼める大工さんが決まり6月最後のテナントさんが退去するタイミングでパリに飛びました。期限は10日。4月に渡欧した際に事前打ち合わせしており、到着した日の夜19時に工事内容の確認完了。早速翌朝からは養生が始まります。「本当に10日間で全部できますか?」、この私に問いかけに全く緊張感のない大工さんの笑顔、余計に不安がつのります・・。



今回の工事内容は、壁、天井の全面塗装の他、傷み始めたバスルーム洗面台下のキャビネットを新調することに。オリジナルの木製台は、洗面台に合わせた丸いシンプルなデザインで見栄えは良かったものの、絶えず水はねを受けることで表面防水用アクリルにひび割れが出てきており、その下の木の部分にもひびから入り込んだ水のせいでところどころシミが出始めていました。また収納が付いていなかったため不便でした。




収納をプラスするため、今回は開き戸のついたキャビネットタイプの洗面台に変更。右袖はゴミ箱がそのまま置けるよう解放したデザインで指示を出します。ところが、予め図面でサイズを指定したのにも関わらず、なんと1.5cm幅が足らず、ゴミ箱がその隅に入らないことができてから発覚。日本の現場では起き得ないことが現実になりました。エジプト出身の大工さんと日本人の施主。フランス語での意思疎通は簡単ではありません。口だけでなく紙に数字を書いて図面を渡してもすれ違い。施主から親方へ、親方から職人へと伝達もあまり確実ではないようです。もちろんこれは一からやり直し。




32平米の超小型アパルトマンですので、使えるスペースがあるなら活用しない手はありません。トイレ内に掃除用具入れ収納を作ることはここ8年くらいの課題でした。収納が足りないことから何度となくいろいろな大工さんにお願いしていたのですが、これがなかなか実現しません。こちらは洗面台下収納とは違い、なぜかすんなりと仕上がり、外置きになっていた掃除機を収めることができるようになり、この結果には大満足です。



ベッドサイドの棚。これまで右サイドにしかなく左側が空いていたため、リビングのネストテーブルの一番小さいのを置いていたのですが、これがどうもバランス悪く、そこで左にも同様の棚を依頼します。簡単なように見えてこちらも難航しました。最初に設置された棚は材質も色も、そして高さまで右側と違っていました。こちらも一からやり直し。




それ以外にも、養生中に不用意に置いた額のガラスが割れたり、塗装後の掃除に使われた家庭用掃除機にペンキの塊が詰まってその後まともに使えなくなったりと、様々なトラブルがありました。加えて、養生中にドライクリーニングに出したカーテン2組を引き取りに行くと、鳩目リングが10個中4個も無くなっていたり、飾りにあったフェイクレザーラインが熱で溶けていたりと、信じられない事態発生。帰国前日の夜は怒りながらも使えるカーテンをとりあえず元の場所に掛け直します。翌朝最後のお掃除。結局塗装以外の工事は滞在中には終わらず、パリのお友達にその後の管理を託して、ストレスで疲労困憊した心と身体で空港へ。予想はしていたもののやっぱりパリの工事は大変過ぎ! 滞在中の10日間で終わらせるなんて夢のまた夢・・・。後日談はまた別の機会に。

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